2011年12月22日

ふくおかフィナンシャルグループのFFG調査月報に掲載されました


自動計量機

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<記事の内容>

創業時の思い、無いなら作ろう!

今や、手軽に美味しく食べられる食品として多くの人々に親しまれているインスタント食品やレトルト食品。これらの食品に使用されるふりかけや海苔、カップラーメンの具やスープの素等の小袋包装は、食材の分量が偏らない正確さと高速生産が要求されます。

当社は、この小袋包装の中身や分量にバラつきがなく安定させて包装する機器を製造しており、特に「微量物の計量及び包装」の技術を得意としております。

私が以前、自動化機器の開発を行う為、ある食品工場を訪問した際、食材を正確に計量せず小袋包装している現場を偶然目にしたのです。そこでの小袋包装は、バイブレーターによる振動を利用して食材を少しずつ送り出していく方式を採用していました。その為、完成した小袋は重さだけでなく、中身の割合にもバラつきがみられるというものでしたが、この方式が当時は一般的であり、1日に3万パック程度製造する規模の工場になると、このバラつきによって10%もの食材が廃棄処分されていたのです。この課題を解決する為に、「微量物の計量及び包装」の開発に着手。過去、歩留まり管理の厳しい半導体工場の装置開発に携わっていた経験もあって、1996年(平成8年)には自動計量機「プチスケール」の製品化に成功し、遠賀郡遠賀町で当社を設立。その後、99年(平成11年)には、北九州市八幡西区に本社を移転し、2011年(平成23年)3月には自社社屋を完成させました。

プチスケールは、「パイプフィーダ」という搬送方式を採用しています。食材を搬送するパイプそのものが回転することで、食材がほぐされ均一な量を送り出すことが可能です。この技術により小分けの精度が格段に向上し、ロスを低減させ、歩留まり率を大幅にアップさせることに繋がりました。また、パイプの中を押し出す方式と比べ、食材の破損を最小限に抑える効果もあります。

当社の自動計量装置は、食品関連の少量計量に威力を発揮し、0.1g?1,000gまで対応出来ます。計量機と包装機を併せることで、省スペース化、低価格化も実現。従前の装置は、バイブレーター内蔵であった為、本格的な清掃が難しいこともネックでしたが、プチスケールは、軽量で分解して水洗い清掃することも容易になりました。

製品化した当初は、思う様に売れませんでしたが、2002年(平成14年)クノール食品株式会社様に即席スープ製造用としてプチスケールを導入頂いたことで、その後も口コミ等で引き合いが増加。その後の販路拡大へと繋がって参りました。

更に改良を重ね、従来のものと比べ約50%の小型化に成功したことで、2011年(平成23年)、韓国のインスタントラーメン業界でシェア70%を誇る「辛ラーメン」でお馴染みの株式会社農心様への設備提案を開始しました。今年に入り開設した東京営業所、韓国支社での拡販を目指しており、ベトナムのインスタントラーメン製造業者へも納入を予定しています。

もう一つの事業の柱 短管計測・再現装置

自動計量機当社は、プチスケール以外にもう一つ事業の柱として、短管計測・再現装置を取り扱っております。

これは、船舶やプラント等に欠かせない固定した配管と配管の間を繋ぐ為の「接続管」の製造に使用します。管の製造には、多くの知識や経験が必要であり、熟練者の腕に頼っているのが現状です。当社は、新造船や修理船における全ての管製造において、熟練者の技に頼らずに管を製造出来る新技術「パイプフォーム」を研究し、開発に成功しました。

従来は接続管を製造する際、その都度、模造品となる金属管を作って図面を起こす必要がありました。ここで当社の装置を使用すると、まず配管取り付け口(フランジ)に計測機を取り付け、もう一方のフランジ面の4点を計測、管の中心位置やフランジ同士の距離等から、接続管の形状をデータ化。計測したデータを計測機と対になる「再現装置」へセットすることで再現装置が現場のフランジ面間を再現します。計測機で計測したデータで管を製作し、再現装置上で改正させることが可能です。今まで必要だった模造品の製造工程が無くなる為、所要時間の短縮、コストの削減に繋がるうえ、接続精度が向上したのです。その他にも、パイプ1本ごとのデータ管理が容易となるほか、熟練技術や補助材等の経費も不要となります。重量物運搬作業が減少し、現場での溶接作業が不要となり、また廃棄物も減ることから、現場も安全となり環境にも優しいのです。

船舶建造において、3万トンクラスの船の場合、平均1万本程の製造管が使用されますが、作業効率や安全性が飛躍的に向上することを評価頂き、これまでに三菱重工株式会社長崎造船所様や韓国の現代重工業株式会社様等に納入させて頂きました。

今後、船舶建造が盛んな韓国や、中国にも販路を広げる様、韓国の船舶関連会社と業務提携し、アジア市場へ攻勢をかけていきたいと考えております。

キラリと光るものづくり企業として

自動計量機プラスワンテクノとは、「技術にプラス何か一つを」という気持ちを込めてつけた名前です。「プラス何か一つ」の何かは心です。当社は創業してからまだ15年と歴史の浅い企業ですが、私を含めて社員一同が熱意とやる気を持って、「技術プラス心」を企業理念に日々精励しております。その結果、食品業界ではカップ麺に投入する具材等を計量するパイプフィーダ式自動計量機「プチスケール」、造船業界では管製造を支援する短管計測・再現装置「パイプフォーム」と、それぞれオンリーワンの装置を開発、常に業界をリードする画期的な製品のご提供を行って参りました。

日本の底力というのは、多くの中小企業が精密で信頼出来る、ものづくりに優れていることだと考えます。当社は09年(平成21年)に、経済産業省より高度な製造技術で日本の国際競争力を支える中小企業として「元気なモノづくり中小企業300社」に選定して頂きました。また、福岡県の「中小企業経営革新支援法」や、九州経済産業局の「新連携事業計画」にも認定を頂き、行政からの助成金の活用等により、日々研究開発を行っております。また、今後の業容拡大を見込み、今年度、社員を増員致しました。

今後も、お客様のニッチなニーズにお応え出来る様、キラリと光るものづくり企業として、歩みを止めることなく研究開発に邁進し続けます。

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